推しの墓場

なんで推しってすぐ死ぬの?

悲しき獣は今日も吠える

吾輩はオタクである。

名はデスラブ。

推しへの愛が深い、悲しき獣。

 

私はかなり拗らせているオタクである。

そのキャラクターを深く考えすぎて、キャラクターを咀嚼し、味わい、だんだん神格化させていく。

 

そう、吾輩は厄介オタクである。

 

ある、あんさんぶるスターズという高等部アイドル科所属の生徒たちを育て、立派なアイドルへ成長させるゲームがある。ゲーム性はない。

 

簡単に言えば、リズムゲーのないデレステ

もっとわかりやすく言えばキャラだけのクソゲー

 

そんなクソゲーに、私はあろうことか推しが出来てしまった。

 

守沢千秋。

流星隊リーダー、流星レッド。

彼にどハマりしている。

f:id:deslove:20200917040058j:image彼にハマってるけど、ゲームはクソゲーなのでやってない。他のキャラクターの名前も把握してない。

 

ある日、ジャニオタの友人と話をしたことがある。

「私はジャニオタだから、きっとジャニオタ以外に理解されないのだ」

と、悲しい瞳をしていた。

私は彼女に対して、厄介オタクである自分の姿を重ねた。ああ、そんな彼女を救いたい。

だって彼女は、推しに対する私の同じ瞳をしているのだから-------!!!!!!

 

彼を本物のアイドルとして妄想する。

私は本物のアイドルである千秋のライブへ行く。

そうなるとどうだ?生の彼に会うのだ。

彼の好きな系統の服装は何だ?彼の出ている雑誌を読む。出ているテレビを見る。

美容院にも行かなければ。ああ、エステも。

だって生の彼はきっととてつもない美貌を持っている。彼に気に入られたいのではない。彼を応援する私がみすぼらしくては彼に対して失礼である。少しでも彼の視界の端に映った時に彼が不快にならないようにしなければ。

前日インして早く寝て、そして応援グッズも。

彼が悲しまないように、マナーは守って、ああ、事務所に入るとしてももしかしたら彼の臨時収入になるかもしれない。グッズも買います。

彼の生の息が、酸素交換された酸素と二酸化炭素が、彼の肺に入ったその物質が、汗が、私の中にも入るかもしれない。ああ、生きていて良かった。

彼は本当に生きているんだ。私は神と出会ったのだ。

 

ここまで話して彼女が一言。

 

「その気持ちまるまる私と同じ!!でもお前の千秋は現実にはいないんだよなぁ!!!怖いなぁ!!!」

 

今日も私は理解されることはない、悲しい獣のままなのだ。